HASに出会うまでの物語
声紋分析を使ったアプリを見て興味を持ち、 AIを使って自分でも作り始めた。
プロトタイプができはじめた頃、 アプリの位置づけを 「声で分析して人を類型で評価分類する」ものから 「声で、その人の今の状態を表現する」ものへと変えた。
その過程で、 アプリを使って自分の調子に戻るための 「調律(Attunement)」という考え方が生まれた。
調律とは、改善することではない。 本来の調子を取り戻し、 あるがままの自分に戻る、動的な状態 つまり「あり方」だ。
いつしか、アプリの背景にあるこのコンセプトを深めようと、 AIと話をしながら「調律」を深堀りしていった。
もっと成長しなければならない 今の自分はダメだ 人に嫌われてはいけない
このような生存本能の「恐れ」からの自動行動を起こすのではなく 「しなければらない」ではなく「自分で選ぶ」ことができる状態を保つ。 それが調律のあり方としての軸となった。
「なにかをする」 というDoingではなく
「なにかしたら・しそうになったら気づく、戻る」 Beingであり続けることで 人は生存本能の自動実行から解放されるのではないか。
この原体験は、ザ・メンタルモデルに基づく JTSを通じた「紐解き」のトレーニングにあった。 紐解きは、相手の生存本能の構造を紐解いていくプロセスだが この時、紐解く側の意識状態が 生存本能に乗っ取られると決してうまくいかない。
「うまくやらなきゃ」 「わからない」 「どうしよう」
という紐解く側の思考が、 プロセスを異なる方向へと導いてしまう。
この時できるのは「混乱している自分に気づく」こと。
最も生存本能に飲み込まれているのが、 仕事の場面や、家族との生活だろう。
その時々で、人は生存本能に飲み込まれる。
子供の振る舞いをみてイラッとする。 「〜しなさい」と言ってしまう。
妻の振る舞いを見てイラッとする。 「なんで〜なの?」と声を荒げる。
妻から「〜できてないよ」と言われる。 「いやぁ〜、XXXだから」と言い訳をする。
すべて、生存本能が起こした行動。
その状態から戻り、 生存本能からではない選択肢を持ち、選べる状態を保ち続けること、 それがHASが守るもの。
何度失敗してもいい。 失敗したら戻ればいい。 うまくなるも、成長するもない。 ただただ、気付いて戻る。 これだけを行う。
この状態に居続けることを、 人々が「あり方」として選ぶ。
AIと対話して生まれた、 このあり方が保たれるための最小限の仕掛けを 「Human Attunement System(HAS)」と名付けた。
お互いが「気づいたら戻る」を繰り返しながら 関係性を保ち続ける。
「生存本能」からの「生き残るための」行動ではなく 「あなた自身」の行動を選択できるように 「選べる状態」を保ち続ける。
HASは、次のことを意図的にしない。
- 人を変えようとしない
- 正しさ・成長・改善を目的に、内面へ介入しない。
- 答えや意味を与えない
- 理解・解釈・結論を提示せず、自己生成を奪わない。
- 結果を約束しない
- うまくいく・良くなる・変わるといった保証をしない。
このことが起こると、どうなるのか。 人は、それぞれの人生を引き受けて生きることができる。 だから、その権利を奪わない。
その先に、いったい何があるのか? 自分には、まだわからない。 だから何も約束できない。
ただ、 「生存本能」からの行動が生み出す世界ではなく、 「いのちの願い」からの行動が生み出す世界がみたい。 それが自分の願い。