ファシリテーター役にありがちな状態例
Common States Seen in the Facilitator Role
このドキュメントの位置づけ
この文書は、ファシリテーター役にあるときの自己の振る舞い・状態を、HAS的視点で自己観察するための参考資料である。
ファシリテーターという役割は、判断や関与が「場のため」「相手のため」という名目で行われやすい位置にある。
そのため、意図や善悪とは無関係に、判断の前提や射程が特定の方向に固定されていることに、本人が気づきにくくなる場合がある。
ここに列挙する状態は、ファシリテーター役にあるとき、判断がどのような前提に寄りやすいかを、事後的に振り返るための参照点として示されている。
前提:ファシリテーターと場の関係
HASの文脈では、ファシリテーターと場は分離された主体としては扱われない。
- ファシリテーターは、場を外側から観察する位置に固定されるわけではない
- ファシリテーター自身の状態や前提が、場の様子に影響として現れることがある
- この影響は、意図や操作ではなく、存在のあり方として表出する場合がある
以下は、この前提のもとで観察されやすい状態の例である。
観察されやすい状態の例
1. 行為が前提となっている
ファシリテーターの判断が、「何かしなければならない」「関与を続けなければならない」という前提に寄りやすくなる状態が観察されることがある。
この状態では、沈黙や停滞が行為によって解消されるべきものとして捉えられやすく、判断が行為の内部で完結しやすくなる。
2. 沈黙が課題として扱われている
沈黙や間が、「解消すべきもの」「介入の必要性を示すもの」として捉えられやすくなる状態が観察されることがある。
このとき、沈黙は場に起きている現象の一つというより、対処対象として扱われることがある。
3. 内的識別がラベリングとして現れている
ファシリテーター自身の内的な理解や識別が、人や場に対するラベルとして外に現れることがある。
例えば、
- 「いま、恐れが出ていますね」
- 「この場は緊張しています」
- 「抵抗が起きているように見えます」
といった形で、内的な識別が、相手や場の状態を指し示す言葉として用いられることがある。
このとき、識別は内的な参照にとどまらず、場に対する説明や位置づけとして扱われる。
補足
ここに挙げた状態は、ファシリテーターという役割に限らず、何らかの役割や責任を引き受けている場面でも観察されることがある。
これらは望ましさや失敗を示すものではなく、判断がどのような前提に寄りやすいかを示す記述である。
関連文書
- 調律位置マップ — Level 0の詳細
- P01-P04 Patterns — 各パタンのFacilitator Self-Check
- HAS Kernel —非介入の定義
- 緊急停止プロトコル — 緊急停止の判断基準
Document Control
- Repo Version: v2.6.00-5-gc2fae36d-dirty
- Last Modified: 2026-01-23
- Commit: 973078e
- Author: Takeshi Kakeda